こんにちは^^
最近頂いた質問でこんなものがありました。
ちょっと諦め顔の飼い主さんです。
「 うちの犬、 噛むんですがどうしたら直りますか?」
普段は穏やかで可愛らしいポメラニアンなのですが、
( 表情も生き生きしていて、 毛艶もよく、 本当に可愛らしい子です )
急に怖い形相で噛み付くそうです。
噛みつくという行動は、 飼い主からするととてもショックです。
家族だけならまだしも、
「 可愛いね 」 と声をかけてくれた人にも噛みつこうとするとなると・・・
噛みつきのお悩みは他の何よりも深刻なものなんですよね。
だって、、、、
痛いし、 噛まれたくないですもん ( 笑 )
いくらかわいい愛犬であっても、 たとえそれが小型犬であっても、
立派な牙を持ち合わせている生き物なので
本気で噛まれれば一発で肉を切り裂かれますもんね。
ちょっと話が逸れますが・・・
犬がとある恐怖に直面した時に、 その犬が見せる行動パターンとして
大きく分けて3つあるとされています。
みなさんはご存知でしょうか???
Fight ( 闘う )
Freeze ( 固まる )
Flight ( 逃げる )
頭文字をとって3F なんて呼ばれているのですが、
犬に限らず、 多くの動物が反射的にとってしまう行動と言われています。
恐怖の対象というのは、 怖い!というイメージの他にも、
なんかこれちょっとニガテだな〜とか。
その子にとってマイナスなイメージを持つものも含まれます。
( トリミングサロンとか、 動物病院の診察台など )
一つずつ見ていきましょう。
Fight ( 闘う ) はその名の通り、
自ら攻撃的な行動を取るパターンです。
怖い対象物に向かっていくことで、 その場をしのぎます。
ただこれは自分自身も負傷する可能性があるので、
通常は “ 相手を傷めつける意思 ” を伝えるための
威嚇行為を行うことが多いです。
“ それ以上近づくと噛みつくぞ! ”
鼻にシワを寄せ、 唸りながら牙をむき出し、
空噛みをする素振りがイメージし易いと思います。
本当に流血を出し合って闘う!というよりも、
闘うぞ!という姿勢を見せる感じです。
Flight ( 逃げる ) は恐怖の対象から物理的に距離を取るということ。
瞬間的に逃げることで何らかの危害から身を守り、
自らが少しでも落ち着ける場所を確保することが出来ます。
Freeze ( 固まる ) は身体がピタッと止まってしまうこと。
恐怖の対象があまりに近づいてしまった時、
“ ど、 ど、 う、 し、 よ、 う・・・” という感じで頭の中が真っ白になり、
思考回路もストップしてしまうような状況を指します。
もうそれぐらいに驚いてしまってフリーズしてしまった、 そんなイメージです。
そんな切羽詰まった状況であるゆえに、
その後 Flight ( 逃げる ) や Fight ( 闘う ) のどちらかの行動に出るパターンが多いです。
なのでもしフリーズ状態にしてしまったのであれば
その恐怖の対象から距離を取ってあげるとか、
動けないようであれば飼い主が間に入って抱き上げ、 場所を移動するなど。
フリーズの状態を解いてあげる必要があります。
ここで話を元に戻しましょう〜
ご相談にあったこのポメラニアンの “ 噛む ” という行動。
・・・
この行動はどれに当てはまるでしょうか?
簡単ですよね。
Fight ( 闘う ) です。
このポメラニアンが “ 噛む ” という行動を見せているということは、
この子にとって 何らかの恐怖の対象がそこにある ということ。
何かの理由がなければ ( 怖い対象が発生しなければ ) 、
この子は “ 噛む ” という行動を選択しなかったはず・・・
「 どうしたら噛みつきが直りますか?」
を解決するためには、
何がこの子にとって恐怖なのか?
何がこの子に “ 噛む ” という行動をさせたのか?
この子の心の中の状態を探ることがスタートになるのです。
「 これをしたら直ります 」 という対処療法はいくつかありますが
それは一時しのぎにしか過ぎず、
この子の根本の “ 怖い ” という気持ちは残ったままなのです。
それではあまりにも人間都合すぎますよね。
飼い主に噛みつく ( 飼い主以外にも ) 場合のほとんどが
愛犬の気持ちを無視して何かを強行突破してしまった
ことが原因であることが多いです。
触り方や抱っこの仕方、 カラーやハーネスをつける時。
ブラッシングや目の周りを拭いたり。
歯磨きや耳掃除、 爪切りなどの直接的な接触・・・
食事の与え方やおもちゃでの遊び方など。
愛犬に対して何かをする時に、
こちらの意思を押し付けすぎてしまったが故に、
噛むという行動を引き起こさせてしまったケースが良くあるのです。
愛犬の行動で何らかの気になることがある場合、
その理由をしっかりと考えて、 理解してあげることがとても大切になります。
噛みつく前にも、 何らかの小さなシグナルを出していたはずです。
顔を背けた
舌をペロペロさせた
あくびをした
身体を反らせた
耳を後ろに倒した
白目を向いた
これらはストレスシグナルとして良く見られる反応ですから、
そのシグナルをきちんと読み取り、
犬の意思を汲んで、 無理な接触を控える時も必要なのです。
「 そんなことしたら、 飼い主が下に見られる!!!」
そう突っ込まれてしまうかもしれませんが
嫌なことを権力で強行突破する飼い主と、
気持ちを汲んでくれて配慮してくれる飼い主。
どちらが心地良いでしょうか?
私なら絶対に後者の飼い主です。
犬の望む通りに接したところで下に見られることはまずありませんし、
それよりも “ 理解してくれる飼い主 ” として、
一緒に暮らすパートナーとして真の信頼関係を築くことも出来るでしょう。
犬は一緒にいて居心地の良い人、
居心地の良い環境に属したい、 平和主義な動物です。
“ 自分の愛犬にとって居心地の良い接し方ってどんなものだろう? ”
今一度見直してみてはいかがでしょうか。
ちょっと無理させちゃってたかなぁ?
そんなシチュエーションがいくつか出てくるかもしれません。
私たち飼い主を癒やしてくれる可愛い愛犬・・・
それと全く同じように、
愛犬にとっても私たち飼い主が癒やしの存在になれるように。
一方通行ではなく、 双方にとって心地の良い生活を送りたいものです。
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