こんにちは＾＾
よく犬のしつけについてお話を伺う時に、
「 うちの犬はバカなので吠えちゃうんです 」 と
相談されることがあります。
しつけをしてみたけどぜ〜んぜんダメだし、
言うことなんて聞いてくれやしない・・・
やっぱりうちの子って、 お馬鹿さんなのね・・・
トレーニングをしたってやっぱり無駄だ、 と。
ではでは・・・
バカじゃない犬 ( お利口な犬？ ) とは
どういう犬のことを言うのでしょうか？
“ 吠えない ” とか “ 言われた指示に従う ” とか。
飼い主にとって “ 一緒に生活する上で飼いやすい ” 犬。
そんな犬のことをイメージしているのだと思います。
一緒に生活していて困ることがない犬・・・
どんな時でも言うことを聞いてくれる犬・・・
巷ではそんな犬の姿が “ お利口な犬 ” としてイメージされているのではないでしょうか？
確かにそんな犬はお利口そうに見えるし、
一緒に生活する上で不便なことが少ないように思われます。
飼い主が 「 ◯◯して欲しい 」 と言えばそれをするし、
「 No 」 と言えば一発でやめる。
みなさんも自分の愛犬にそうなって欲しいって思ったりしますか？
私は “ 動物福祉 ” を根本に、 犬に負担のない方法でのしつけをご提案しています。
まだこのやり方を初めて日は浅いですが
勉強をすればする程、 トレーニングって何だろう？と疑問を持つようになりました。
動物福祉では１９２２年に “ 動物の５つの自由 ” というものが提案されていて、
それは国際的にも認知されています。
日本ではその内容自体は知られていても、
それを活かしたトレーニングをしているか？というと
まだまだ尊重されていない部分が多いようにも感じています。
* こちらの記事にも記載していますので、 よろしければご覧下さい＾＾
( 長いですが・・・笑 )
↓
http://the-dog-space.com/dogsmind/632/
動物の５つの自由の中に 正常な行動発現の自由 というものがあります。
これは犬を飼う上でもかなり大切な考え方ですが、
実は意外と見落としがちな部分でもあります。
正常な行動発現の自由・・・
どんな自由のことだと思いますか？？？
簡単に言うと・・・
“ 犬が犬らしく ( その子がその子らしく ) 自分を表現出来る自由 ”
犬が犬として生きていく 中で、 その習性や個々の特性に合わせた
ごく 自然な行動 をさせてあげられているかどうか？ ということ。
ごく自然な行動というのは・・・
吠える、 とか。
マーキングをする、 とか。
マウンティングをする、 とか。
ものを破壊すること、 もそう。
吠えてみたり、 嫌なことがある時に噛み付いたりとか。
これらの行動は犬が犬として生を受け、当たり前に行われる行動。
人間からすると 「 え？それって・・・」 と困ってしまうものも多く含まれますよね。
一見 “ 問題行動 ” と捉えてしまいがちな行動であっても、
習性的には何ら異常のない普通の行動だったりするのです。
人間社会で暮らす犬たちには
吠えるな
噛むな
マーキングをするな
マウンティングをするな
など、 犬の習性を完全に無視した制限が多く見られます。
吠えない犬 がお利口と評価され、
どんな状況でも言うことを聞く犬が賢いと言われる。
吠えることが全てダメだと一喝されて、
マーキングしようものなら 「 あら、ヤダ！！！」 と止められる。
マウンティングすれば 「 こんなところで！」 と叱られ、
ものを破壊すれば 「 悪い子！」 のレッテルを貼られてしまう・・・
そんな犬たちって少なくないのではないでしょうか？
その行動だけを見ると、
確かに気持ちの良いものではないかもしれません。
しかし 「 なぜその行動をするのか」 という原因を理解することで、
愛犬に対しての接し方や対応の仕方が変わってきます。
吠えることも噛むことも、
マーキングもマウンティングも。
家具の破壊行動も。
全て犬の感情によって起こる正常な行動であって、
全て意味のあるもの・・・
その理解を示すだけでも犬たちは救われるのです。
それをダメ！と叱るのではなくて、
「 ちょっと今はやめようね」 と伝えることが出来る。
それに犬も応えてくれる。
矯正や人間の力でやめさせる、 のではなくて
犬の気持ちを汲んだ上で負担がないようにフォローする・・・
それによって犬自身が考えて、 その行動をやめてくれる。
何らかの行動を起こしてしまう犬たちの感情は、
とても複雑な原因が絡みあっていることが多く見られます。
それらのしがらみを１つずつ取り除き、
犬も飼い主さんも落ち着いた生活を過ごせるように・・・
制限を設けるだけのトレーニングではなく、
犬たちの気持ちに寄り添ったレッスン。
そんな部分を大切にしながら、 これからもご提案していければと思っています。
吠えないから良い子、 ではなく。
吠えるから悪い子、 でもない。
そこに基準値を置くべきではないのです。
そう考えると、 良い子って何なんでしょうね＾＾
機械のように扱うのではなく、
犬を犬として受け入れて接することが出来る関係づくりを、
みなさまにもしていただけたらな〜と願ってやみません＾＾
吠えない、 引っ張らない。
“ 人間都合の ” お利口な犬たちほど、
多くのストレスを抱えているのかもしれませんね・・・
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